失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「もう俺は亜美に会う資格ねぇんだよ。俺……」


陽らしくない言葉がたくさん。


「やめろ。陽らしくない。そんな弱気な言葉。陽から、俺のヒーローから聞きたくない」


俺のヒーロー。


陽はまさしくそうだった。


ピンチのときに現われてきて、昔見た戦隊もののレッドみたいに俺に手を差し伸べてきた。


あのとき俺は陽が眩しくて、眩しくて。


“ヒーローみたいだ”


柄にもなく、そう思ったんだ、陽を見て。


なのに、なのに今の陽は俺のヒーローだった頃の面影なんかまるっきり無い。ただの人。


「なー、何で俺はお前を追い掛けてきたんだ?馬鹿らしいな」


馬鹿らしいことこの上ない。


「俺のヒーローの陽は、弱気なんて似合わない」



大翔は陽に背を向けた。


「――しばらく頭冷やせ。あと、さっきの奴にちゃんと謝れ」


うなだれている陽を残して大翔はその場を去った。


亜美の携帯は連絡がつかない。


なら俺はお前と同じ手を使わせてもらう。




去りぎわの陽の表情が頭から離れない。




――――――――――解決策







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