失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
シュークリームすら俺には奢らせてはくれないのか。
『友達にはシュークリームあげることにしてんだよ』
なんつーポリシーだ。
でもそいつからシュークリームを受け取ると言うことは、そいつと友達になるということだ。
だったら――――
『ありがたく受け取る』
そう言えばまた嬉しそうにはにかんだ。
『なぁ、お前名前は?』
一番聞きたいこと。
いつまでも、シュークリーム男だとかっこつかないだろ?
『俺?』
お前しかいねぇよ。
こいつ、ちょっとバカだな。
『俺は、多分神田陽』
『は?多分神田陽さん?どこまで名字だよ』
『お前、馬鹿?』
『冗談だよ』
まさかこいつにバカ呼ばわりされるとは想わなかった。
『お前は?』
『俺は斎藤大翔』
『かっこいい名前だな』
『まぁ、どうも』
名前誉めるとか、おばさんかよ。
『じゃあ、大翔、お前は今日から俺の友達な!』
『まぁ、そういうことで』
嬉しいけど、俺はその気持ちを素直に表せるほどの人間ではなかった。
『腹へったな』
『あぁ』
いつまでも続け。