失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿

そこまでわかってるのに。


「何で、俺達も同じことを思わないって考えられるんだよ」


俺達と、亜美は、環境は違えど、考えることに大差はない。


「俺が来た意味、ちゃんと考えろ。そんで、考えても、俺達にアメリカ行きのことを言いたくなかったら、いわずに勝手に行け」


自分の口からでた言葉に、一番驚いたのは大翔自身だ。


今まで亜美を馬鹿にしてきたのは数知れず。


でもここまで突っぱねた声が出たのは初めてだ。


さすがの亜美も一瞬驚いた顔をした。


「アメリカに行くのを言わない気でいたぐらいなんだから、俺達との連絡も切る気だったんだろ？」


とことん。


亜美ならやる。


「何も知らない、連絡も取れない。そしたらいつか忘れるさ」


酷い事を言っているのはわかってる。


でも俺は亜美を甘やかす気なんかさらさらない。


もともとそれに関しては亜美は慣れてるはずだ。


「……どうしたらいいのかわかんないの」


亜美は、分からなくなったら自分から聞くことのできる奴だから。





――――――――大翔と陽