失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「陽は興味のない人に怒ったりしない」


めんどくさがりそうだもんね。


「優真はどうでもいいやつの心配はしない」


優真君はあんたたちで手一杯だもんね。


「大雅は仲間だと思わない奴にラーメンを奢ったりしない」


ケチそうだもんね。


「俺は大事じゃない奴のためにこんなことしない」


そうだよね。
でも、知ってる。


大翔が誰よりも優しいのは。


ひどいこと言ったり、突き放したりしても大翔のことを嫌いにならないのは、それが正しいから。


大翔はその人のためになることでしか動かない。


「分かった?お前はちゃんと俺たちの友達だから」


欲しかった言葉。


「まったく、女ってもんは言葉がないとわかんないもんかね?」


「しょうがないじゃん。それが女ってもんだよ」


こうやって雰囲気を作ってくれるのは大翔だ。


「とにかく、いろいろちゃんとわかったよ。だから、陽に会いに行くよ。みんなにもちゃんと言う」


ちゃんとしよう。


「アメリカに行くのは変わらないよ。変えられない。変える気もない」


今だからこそ、行きたいって思った。みんなのおかげだ。


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