失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「すいません」
適当な謝罪でその場を後にしようとするが、
それは彼によって阻まれた。
「……なんですか?」
掴まれた腕を見ながら言うと彼は何も言わずに、自分の足元を指差した。
「……あ、」
そこにはシュークリーム。
並ばないと買えないと有名な、一個250円のちょっぴり高いやつ。
しかもご丁寧に包装したやつが、ぐちゃぐちゃになっていた。
「落ちちゃった」
全く困った。
学校にお金は持っていかない主義のあたしが、
250円なんて持ってる分けなくて、
「今、お金持ってないので、後日、買いなおしておきます。それていいですか?」
丁寧に、丁寧に、
むかつくが、丁寧に。