失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
今日はいつもより少しだけ豪華で、あたしの大好きな物ばかりが集まった食事になった。
好きな食べ物、大事な人達と食べる最高の食事。
「なんか、嬉しいね。みんなで食事って」
「そうですね。少し照れくさいですが……」
庭師の田中さん55歳が本当に照れていた。
「ちょ、田中さん。いい歳なんだから照れないでよ」
瑠伊が呑気にスープを飲んでいる。
みんなでの食事はとても暖かい。
「やっぱりみんなで食べる方がおいしいね」
亜美の言葉にその場にいた皆が亜美を見て微笑んだ。
そして頷いた。
「みなさんいつもありがとうございます」
食事が一段落したあと、亜美がかしこまって丁寧に頭を下げたら、みんなが笑った。
「ちょっと!何さ!みんなして」
「亜美、今日はそんなのいらないんだよ」
「そうですよ。亜美さん」
お父さんと佐伯さんが言う。
――そっか、今は楽しむ場面だもんね
今、この場にいるみんなは、あたしねお嬢様らしいところなんかみたくないに決まっている。
「デザートもあります。今持ってきますね」
「いぇーーい!」