失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
なんだよ!
あいつらがそんなに嫌いか?
あたしは別に嫌いじゃないぞ!
海に沈めたいって気持ちが、嫌いって気持ちに入らないならな。
「あんた知らないの?」
梓が本気で呆れた顔をあたしに向けた。
「何を?」
「東のイケメンについて」
「知らん」
「威張ってんじゃないわ!」
ベシッとあたしの頭を叩く。
「英単語が3つ抜けていった」
「もともと一つも入ってないでしょ?」
そんなことねーよ。
数えきれないくらい入ってますよーだ。
そんなことは言えないがな。
「ってか何それ?」
東のイケメンって………
何だよそれ。
お笑いグループかっての。
「お笑いじゃないわよ。ってかその口閉じといて」
「……ふぁい」
どうやら口からだだ漏れだったらしい。
ついでみたいに頬もつねられた。
……痛い。