失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



蓋をしようとしていた感情が溢れだしそうになる。



気付いたばかりの感情。


「あたしだって、淋しいよ」


それだけじゃないけど……。


「ったく辛気臭ぇな。別に会えないわけじゃねぇだろ。メールやら電話やらがあるんだし」


大雅がめんどくさそうに言う。


「そうだね……。それに心は繋がってる」


くさいせりふ。


あたしに似合わない言葉。


「亜美……」


陽の目を見ることが出来ない。


その目を見たら、言っちゃいそうだから。



“好き”って。



何も言わないで、大切な友達のまま、さよならしたほうがいい。


それが陽のためであって、あたしのためでもある。


「それで今日最後だから、時間までみんなと行きたいとこがあるの」


無理矢理話を変えた。


無理矢理笑顔を作った。


そうやるのはあたしの得意業だ。


そして、みんなで、最後を楽しもう。









――――――――――――本音





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