失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
ただいま
優真君はちゃんと保育士になれてるかなぁ。
颯太はしっかりと弁護士になれてるかなぁ。
大翔はどんな顔で会社にいるのかな?
大雅はちゃんと働けてるのかなあ。
陽は、あたしを忘れてないかな?
きっと眠れない。そう思っていたが、朝方にはうつらうつらとしていて、いつの間にか眠ってしまっていた。
全然寝た気がしないはずなのに、しっかりと生活スタイルが染み付いたあたしの体は7時には目を覚ました。
「眠い……」
多分睡眠時間は4、5時間だろう。
それでも懐かしい匂いに包まれて、あたしは深く眠ったと思う。
武との約束は九時集合。
それまであたしはのんびりと準備することにした。
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
「失礼します」
入ってきたのは佐伯さん。
その手には何か綺麗に包装された箱。
「何??」
「亜美さんはもう私の助けはいらないと思うと寂しいものですね」
なんかおじさんくさいぞ佐伯さん。
「これは大人になられた亜美さんへ、私からのささやかなお祝いでございます」
そういって、持っていた箱を手渡された。