失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



お兄ちゃんと呼ばれた人、陽は、女の子に笑顔を見せ、手を振った。


「小さな女の子も虜に……」


「ちげぇよ」


大雅に突っ込まれた。


すると小さな女の子があたしたちに気が付いて、なぜか寄ってきた。


「虎にぃ!」


「俺は虎じゃねぇ!って何回言えばわかんだよ」


女の子は大雅に話し掛けてきたのだ。


「あんたの、子?」


バシッ


無言で頭をはたかれました。


「虎にぃ、この人は?」


たいがだから、虎なのかな?タイガー?


女の子はあたしを指を差した。


「え?あたし?」


「晴香、こいつは……、」

晴香ちゃん。


それがこの子の名前なのだろうか。


ってか一体何者?


「あっ!もしかしてお兄ちゃんの?」


「あぁ、」


なんだ?陽の?


「どういうこと?」


「お姉さん、綺麗ですね」


女の子、晴香ちゃんがあたしに笑顔を向けた。


その笑顔の眩しさには負けますよ。あたしの美貌も。


「晴香、どこ見てんだ?なんかメロンパンみたいな顔してんだろ?」


「おいしそうだね」


なんか違うよね。


会話が噛み合わないぞ。


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