失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
反抗してみたものの、大雅と大翔に引っ張られ、あっけなく来店。
「いらっしゃいま……っておまえらか」
陽の声が聞こえてきた。
あたしはなんとなく会うのが怖くてみんなの後ろに隠れていて見えなかったみたいだ。
「なんだってことはねぇだろ?一応客だ」
「柄の悪い客はお断りしております」
「丁寧に言われるとムカつくな」
「四名様デスカ?」
「カタコトか……。ってか4人じゃねぇ!」
頼む。
あたしを数には入れないでください。
「は?おまえらだけじゃねぇのかよ」
ダメだ、なんか会う勇気がない。
忘れられてそうで怖い。
陽のあの無表情で、“誰ですか?”なんて言われてしまったらあたしはきっと道路に間違ってボールを拾いに行ってしまう。
「……お前、いつまで俺の後ろにいんだよっ!金とんぞ!」
もうこの際金払うよ!
だから退かないでくれ!
でもその願いもむなしく、大雅はあっさりと亜美の前からずれていった。
「……亜美?」
「や、やぁ?」
バシッ
大雅が後ろからあたしの頭をはたいてきた。