失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



そんなこと、気にしなくてもいいのに。


そう言いたいけど、陽は照れてるからこれ以上この話題には触れないでおいてあげよう。


「うちに来た感想は?」


「広い」


「そりゃどうも」


今いるのはリビング。


確かにうちは広い。


家の大きさ、敷地の広さはその家の格式を暗に示すものだ。


「大翔んちより広い」


「てめぇ、比べんな」


大翔がバシバシと陽をたたいた。


「うちより武の家の方が広いかも」


あのうちは庭が立派だしね。


「ってかお前ら小学生か?」


「「は?」」


イライラしたように言う大雅に、あたしと陽は声を揃えた。


「五年ぶりの再会なんだろ?」


それはあんたらも同じだよ。


「お互い、言いたいこと、あるんじゃねぇの?」


あるよ。


そりゃあるよ。


でも怖いの。


陽に、“好きな人できた”なんて言われたり、“もう好きじゃない”とか、“連絡くれない女は忘れた”なんて言われるんじゃないかって思ってしまう。


ただのへたれチキン。


丸焼きにして食べてやりたい。


「俺は帰る」


大雅はをいきなりそんな宣言した。
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