失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
なんの脈絡もなくて、本当に突然だったから、優真君も颯太も大翔も唖然としている。
「何なの?大雅。トイレでも行きたくなった?」
「大翔は黙れ」
「へーい」
ふざける大翔に対して、大まじな大雅。
「こいつら見ててもおもしろくないから俺は帰って雑誌でも読む」
雑誌に負けたのか?
悔しすぎるだろ。
「ほら、行くぞ」
そう言って大翔の腕を掴んで立たせようとする。
「はいはい。俺も案外忙しいし仕事に戻るわ」
大翔はダルそうに立ち上がった。
「俺も帰るね。勉強しなきゃ」
颯太が笑顔で立ち上がった。
「俺も園児が待ってる」
優真君も。
これは2人にされるパターンですね。
「じゃーなー」
なんとも緩い別れの挨拶を残して、彼らは出ていってしまった。
「嵐……」
まるで嵐のような人たちだった。