失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「と、まぁ、こんな感じなんですよ。どう?隠し事してて、みんなはあたしを軽蔑した?」
――軽蔑なんてしてほしくなかった
でもそんなことは言えなかった。
すると陽が立ち上がって、ピアノの後ろに行った。
そして、シュークリームを持ってきた。
…………どこに保管してんだよ
「まぁ食え」
この空気で?
「あ、どうも」
どうしていいのかわからず、なぜか陽に見つめられたまま、あたしはシュークリームを一口かじった。
「食ったな?」
「ぅえ?駄目だったの?」
「食ったな」
大雅が呆れたように言った。
あたしの言葉は無視。
「食べちまったねー」
大翔が楽しそうに言う。
だからあたしの言葉は無視かいな!
「食べたよ」
優真君すらあたしの言葉は無視。
「食べたんじゃねぇの?」
颯太君もあたしの言葉は無視。
悲しくなってきた。
だれかあたしの言葉に返事をしてください。