失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



いつものことだが、あたしの思考はだだもれ。



「真の仲間になる儀式」



シュークリームが?




「陽の出したシュークリームを食べたら、みんな仲間なのよ。おじょーさん」



会った時からあたしのことをたまにおじょーさんと呼ぶ大翔。


はじめは嫌だったけど……いや、やっぱ今もあんまり好きじゃない。




亜美は自分の手元にあるかじられたシュークリームを見た。



――これが仲間な証?





「俺らは隠し事くらいで人を判断しねぇから。シュークリームだした意味、ちゃんと考えてみろよ」





陽の偉そうな声が部屋に響く。


でも嫌じゃない。






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