失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
大翔がニヤニヤしながら顔をあたしたちにむける。
「お前、俺らの前で陽に手ぇ出すとはいい度胸してんな。ってか陽を襲うなよ、熊」
「うっさいわぁ!ってか最後はあたしですか?熊ってあたしですか?大翔くたばれ」
「ははは」
乾いた笑い。
やっぱりむかつく。
「……なんなわけ?」
さすがの陽もベタベタと腕を触るあたしに怪訝な顔を向けた。
「いや、あんたシュークリームばっか食べてるから、筋肉とかあるのかと心配になっただけ」
「あははははは」
陽が笑った。
それも大爆笑。
珍しいなんてもんじゃない。
あたしは初めて見たよ。
ヤンキーたちも驚いているとこを見ると、多分なかなかお目にかかれない光景なんだろう。