失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



もう一度あたしは雑誌から目を離して、大雅を見つめてみる。



「……冗談は顔だけにしてよ」


「てめぇに言われたかねぇよ」



やっぱり?


ってか今はそんなこと言ってる場合じゃないっ!



「あたし聞いてないんだけど」



「言ってないんだから当たり前だろ?」


「だよねー、って馬鹿やろー」


「ノリツッコミ」


大翔が苦笑いしている。



急に恥ずかしくなってきた。



「ってか本気でどういうことか説明してよ」



それどころではなくなったので雑誌は閉じてカバンに入れた。


「俺が説明するよ」


そういったのは唯一の常識人、優真君。


ありがとう。


君がいなければきっとあたしは、説明の下手そうな大雅から意味のわからない説明を聞かされるとこだったよ。



「聞こえてんぞ、ブス」



おっと、心の声がだだもれだったらしい。



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