失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



沙恵さんは怖い人だと勝手に認識された。


そんな人……いや、お方のご命令ならあたしが行かなかったとき、優真君がかわいそうなことになってしまう。



そんなことは断固拒否だ。



「行くよ!あたし、行きますからね!」



そう言うと勢い良く立ち上がったのは大雅。



「一個忠告。沙恵さんのことは、おばさんなんて絶対に言うんじゃねぇぞ」


「お、おう!」


あの大雅があたしに助言をしてくれた。


あたしを怒らせる達人の大雅が!



「んで、いつから?」


「夏休みの初日から」






おい、待て。




「聞いてない」


「今言った」




間違ってはない。



だがしかし、もう少しはやく言ってほしかった。



「いつまで?」


「とりあえずは3日間」




――はぁー、



まためんどくさいことに巻き込まれてしまった。




と思いつつ、何を持っていこうかとか、どんな服にしようかとか、あたしの頭は考えはじめていた。



ついでにこいつらが優真君のいないところで暴走したらどうしようかも考えといた。




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