失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
夏の実行
「ついたぁぁぁあぁぁああ!海だぁぁあぁぁあ!人だぁぁあぁぁあ!」
「うっせぇな」
分かってるよ!でも初めてなんだもん。
「もー、いいじゃん、初めてなんだから!」
そう言えば驚いた顔。
「何、お前、海来たことなかったわけ?」
「うん」
ありえない顔をされました。
磯の匂い、人のはしゃぐ声、波の音。
あたしには全部全部、初めてだった。
「なら、楽しまねーとな」
陽がニヤリと笑ったような気がした。
朝一番で駅に集合して、電車でここまできた。
ちなみにちゃっかり、この日のために、服を買いに行きました。
まだお昼前だというのに、すでに人がたくさんいた。
そして、連れていかれた海の家、“桜”。
お客さんの数はまぁまぁ。
「ってか、夏なのに、桜なの?」
「つっこむんじゃねぇ」
「へい」
不思議だ。
この沙恵さん絡みの話になると、大雅と話が合う。