失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
陽のナイスなビューティーフェイスのおかげで、“桜”は大盛況。
そのせいで、あたしまで笑顔を振りまかなければならなかった。
まぁ、要するに、接客に駆り出されたわけだ。
……それにしても忙しい。
誰だ、こんなに客を連れてきたのは。
あたしだぁぁぁあぁぁあ!
「うるせぇな、黙ってやれや。…………おまちどーさま!俺の愛もたっぷり入ってるからねぇ!」
おい、前半は誰だ。
いや、後半が誰だ?
おかしいな。
大翔にみえるぞ?
お前、ホストだろ。
うーん、
露出されてて、しかも割れた腹筋。
イケてる要素バリバリだ。
悔しいが、色気も女のあたしよりある。
「イケメンだね」
「……まぁな」
なんだ!今の間は。
ついでにかわいそうな目で見られました。
大丈夫。
頭は正常だよ。