失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
お昼時が過ぎた頃、ようやくあたし達にも休息が訪れた。
「―……はぁ」
ため息ではない。
なんていうか、たくさんの人に囲まれたから、息苦しかったのかもしれない。
お昼の分の呼吸を今したのさ。
「お疲れ。あとはなんとかなるから。颯太、みんなを民宿まで連れていってあげて」
「おぅ……はい」
多分、颯太君の女嫌いはこの人のせいだ!
なぜかあたしは確信した。
まぁ、本当は違うけど。
亜美はまだ知らなかった。
颯太の女嫌いの理由を知るのはもう少し後。
でもあとちょっと。