のらねこ
エレベーターが1階に着く頃ようやく数え終わった。
別に数えるのが遅かったわけではない。そのくらいの量だったってこと。
こんな札束……お財布に入れたらとてつもなく邪魔だ。
マンションから出た私は、振り返らず早足で去った。
歩き進めると見慣れた道に出た。
タクシーに乗ろうとしたけど、しなくてよかった。
そして銀行であの札束を貯金した。身が軽くなったような気がした。
そしていつもの場所へ戻っていった。