秘密の関係
苺味のキス
コウさんの唇は。

さっきまで飲んでたカクテルのせいか、かすかに苺の味がしてた。

あたしは背中を撫でられる心地よさに、声をもらしてしまいながら、コウさんの首に手を回した。
コウさんの指が、あたしの耳やうなじを優しくたどる。

ムスクと、ストロベリー。

郊外の古いホテル。

薄いピンクのつめたいシーツ。
コウさんの指。唇。
体温。あたし以外の。
もう彼しか目に入らなかった。
間違いを犯すことって、こんなに気持ちいいんだ。

請われるままに唇を甘噛みしたら、痺れるほどに甘い、罪の味がした。

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