プリズム


「どこに行くつもりだ。バカ」


流星だった――…


 ★☆★


流星も泣いていなくて、認めたくねぇと言った。
考えていたことは同じみたいだ。



外に出て、空気を吸う。しとしとと小雨が降っていた。


まるで空が泣いているみたいに。


「……なんだろな、この空虚感」


ため息混じりに君は呟いた。冷たい空気。色美のない。



「流星…これ」


わたしは白い封筒に渡流星さまと書かれている方を差し出した。


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