プリズム
カウンターに入るのは初めてだ。ドキドキしながら渡さんの指示した右隣に座った。
すると彼は向きを変えてあたしの方に向き合う形になった。
「改めて、渡 流星っていうから。宜しく、榊原さん」
あたしは慌ててぺこっとお辞儀を返す。
自己紹介しなきゃかな…と戸惑っていると隠しきれていなかったのか
「榊原さんのことは…なんとなく聞いてるから」
あ、笑った。
確かに真面目そうだけど同じくらい優しそうだなぁ。委員長が薦めるのもわかるわ。