プリズム


 ★☆★


「人間時計か。流星」


10時きっかりに颯爽と自転車に乗って現れた流星。当たり前なんだけど私服で黒とグレーを基調としているモノトーンコーデ。

イメージ通りで、少し安心。でも新鮮。


「親、大丈夫か」

「平気。わたし天文部だったから夜ちょくちょく出てたし」

「そうなのか。んじゃ、乗れ」


くいと後ろを指差す流星。ママチャリだけれども…さすがに抵抗が。


「ちょ…本気?」

「は?ぐずぐずしてっとおいていくぞ」


乗ります!と言ってそっと腰を下ろす。そして流星にそっとつかま―


る?


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