プリズム


「願い事……」


ぼそりと言うと、流星はにこやかに微笑んだ。

わたしの好きな優しい表情だけど哀しいひとみで。


「叶うといいな」

「流星はしないの…?」

「俺は、いいんだよ」


変なの……。


わたしは夜空に手をあわせてゆっくり瞳を閉じる。


キラキラ瞬く星たちの中で、見つけるの。



地上に降って落ちてくる君(流星)を。



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