チョコとトマト標識
◇
◇
ぷに、ぷに
と、頬に違和感。
片方の頬は下の柔らかくて人工的な感触に浸っているはずなのに、もう片方の頬には人の肌が優しく触れる。
…なんだ、これ。
目蓋を持ち上げようとするけれど、なかなか動こうとしてくれない。
「……なぁ、」
そのうち頬の感触だけじゃなくなって、頭の上から低くて心地よい声が静かに振ってくる。
内側からほんのりと熱く、頭が真っ白になって。
なんだろうこれ。すごい落ち着く。
感触だけでわかる、大きな手のひらが私の前髪を持ち上げて、
「いつになったら、来んの?」
ノイズのない声が、脳内で静かに消えていった。
ぷに、ぷに
と、頬に違和感。
片方の頬は下の柔らかくて人工的な感触に浸っているはずなのに、もう片方の頬には人の肌が優しく触れる。
…なんだ、これ。
目蓋を持ち上げようとするけれど、なかなか動こうとしてくれない。
「……なぁ、」
そのうち頬の感触だけじゃなくなって、頭の上から低くて心地よい声が静かに振ってくる。
内側からほんのりと熱く、頭が真っ白になって。
なんだろうこれ。すごい落ち着く。
感触だけでわかる、大きな手のひらが私の前髪を持ち上げて、
「いつになったら、来んの?」
ノイズのない声が、脳内で静かに消えていった。