チョコとトマト標識

その後顔を真っ赤にした安重は、怒って男子の元へ戻っていった。
「どこ行くの、」と呼び止めようとした私に、


「いいのよ。ヤス、ツンデレだから」

マコがそう言うならいいや。私は伸ばした手をあっさりと引っ込めた。
そういえば私達以外の女子にはツンツンしてるよなあ。

だから安重何気に女子に人気あったんだ、と変に納得したところでマコが『で、続き』と真顔で言う。

それにのって私もだいぶそれた話を元に戻した。


「それで、…私はいつどこに行ったらいいと思う?」

「…前文とほとんど変わらないわね?」

「だってさぁ~…」


声が鼻にかかって実に情けない声がでる。
そして結果的に昼休み終了のチャイムが心地よく鳴り響き、クラスに散らばっていた生徒達は一斉に席へついた。

遅れて席にダラダラと移動する私に、背後からマコが、


「別にどうもしなくていいんじゃない?」


と、適当だけど的確な発言をする。

それもそうだね。


「さんきゅー」


私も笑って、席に着いてから軽い自分の頭を机に打ち付けた。





『いつになったら、来んの』

………うーん。

やっぱり幽霊?





というか、ちょっと前にもこんなことなかったっけ?






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