チョコとトマト標識
放課後、うつむいたままカバンを手に立ち上がると、
「なーに肩落としてんのよ。先生に怒られたぐらいで」
何を勘違いしたのか、私の肩をぽんぽんと叩く。
「いやいやちがくって」
「何が?」
「落ち込んでたとかじゃなくて…」
「あーなんか授業中に変なこと言ってたわね。…それにあんた先生に怒られるの慣れっこだしね」
『んー』と適当に返事を返すと、マコは『生徒会よるんでしょ?』と私の心を読んだかのようにそう言い、バイバイ、と背中を押してくれた。
「さんきゅーマコ、バイバイ」
黒髪ロング美人に、私は棒読みで手を振る。
生徒会…そうだよ。
生徒会に居るハズ…!
相変わらず低能な私は、とぼとぼをダダダに変えて三階の生徒会室に足を進めた。