上等☆恋革命
「あのね。
僕、昔東京に住んでたんだ。でも、親と妹がトラックに引かれて死んじゃったんだ。小4の時だったかな・・・。僕は、運転手が許せなくて、それで・・・・・・・・・
殺しちゃったんだ」



小4で、そんな事が・・。



「でね、小学生でも人殺しだから少年院に入れられた。
そこでは、女々しい顔ってバカにされた。
その時に、良くしてくれていた警備員さんがね、

『長い間一緒にいて群れてる奴は、
退屈したら、ターゲットを作り
そいつをバカにして遊ぶ。
お前は、今そのターゲットだ。
自分の本当の姿をバカにされるのは
つらいだろう。
仮の姿なら、そんなに傷つかなくて
済むぞ。』

って、そういったんだ。
その人も同じ経験をしたって言った。
難しい話だなって思った。
だから、その人をソックリの真似て少年院を出て、この町に来て、学校では、この格好してるの」



これが、仮の姿の青さん・・・。

その警備員が言った仮の姿と

青さんの思っている仮の姿は違うような気がするけれど・・・・。

つらい思いをしてきた青さん。

一人で抱え込んじゃってさ。

「あ、あはははは。な、何?
静かになっちゃってさ。・・・って、二人とも、泣いてるの?」



いやいや、今にも泣きそうな笑顔作ってたの

青さんの方だし・・・・。



「ッ。グズッ、ズズッ」

?!

まぁ、煇は、涙もろいからな。

ん?さっき、青さん

『二人とも』

って言ったよね?

あたしが泣く訳ない。

・・と、思いつつ、頬に手を当ててみる。



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