好きだと言えるまで・・・

「お前もあいつが好きなんだろ？」
「んなわけねぇだろ！？」
「そうか？お前は俺よりあいつを好きになってる。」
どうしてそんな自信ありげに言うんだろ。
「・・・なんでそう思うんだ？」
「あいつを見るお前の目は、恋をしてる目だって。勇太郎たちが言ってた。」
あいつら何言ってんだよ。いや。あいつらに相談した俺が馬鹿だったのか。
「俺も思ってた。こいつも同じなんだって。だからお前よりあいつに優しくした。お前よりあいつを気遣ってやってるつもりだった。」
そう言った燐の目は、いつもより真剣だった。
「で？それを俺に言ってどうすんの？」
「あいつ、好きなやつできたんだろ？」
「・・・あぁ。」
そう。あいつには好きなやつができたらしい。悔しかったな。ずっと一緒にいた俺じゃなくて、「あいつ」は会ったばかりのやつに心を奪われた。
「長い間あいつを想ってきた俺らが一番望むことは、あいつの幸せ。違う？」
「いや。違わないね。その通りだ。何？んじゃ、あいつの恋応援し隊結成？」
少し、寂しげな笑顔を見せて、燐はそうだといった。
「なにそれ。俺らめっちゃ健気じゃん。」
「そうだな。まっ、良いんじゃないか？俺らの太陽が輝いてくれたら。」
ふぅ、とため息をもらして。あぁ、そうだな。そう心の中でつぶやいた。

俺らの思いは同じだった。俺と燐はこれからもあいつの味方でいる。
そう、２人で決めたから。

俺らがあいつに想いを伝えることは無い。

そのときまでそう思ってた。