魔女の私と人間の君
第一話
 私の名前は御霊 渚。(みたま なぎさ)歳は17。スリーサイズは秘密ね。
 今日、私は仕事の転勤でこの町にやって来たの。ただ仕事と言ってもそこらへんのOLとかじゃない。もちろんアイドルってわけでもない。
 私は…………魔女で宅配便をしているの。
 別にある有名な映画を見たから憧れたわけでもない。ただ、これしか私にはできなかったから。
 魔女の仕事には色んな種類あるの。秘薬を作って病気を治したり、魔法で何かを創ったり。とにかく沢山あるの。
 そんな沢山ある中から何故私が宅配便を選んだかって?理由は簡単。だって私は魔法も使えなければ秘薬を作る学もない。以前学校では秘薬を作ろうとして教室をめちゃくちゃにした実績もあるのだ。だから、私は宅配便になるしかなかった。幸いほうきの演習では1番だったからなるのは簡単だったんだ。
 そんなわけで、私は二年前から宅配便の仕事をしているの。自宅に送られてくる大小様々な荷物。荷物は本部がうちまで転送してくるから、私はその送られてきた荷物を運ぶだけだった。でも、最初はほんと地獄だった。ただでさえバランス感覚が必要なのに荷物なんて加わったら落ちろって言ってるようなもんだ。いったい何度荷物を落としたことか、私は宅配便を舐めていたのだと思う。
 まあーそれぐらいならまだ堪えれた。だって謝るか怒鳴られるのを我慢すれば済むんだから。私がほんとに辛かったのは周りからの評価だ。私達魔女は昔は人間との交流はなかったらしい。理由?あなたも知ってるでしょ?
 …………魔女狩りだよ。昔、人間達は私達を見つけるやいなやすぐさま処刑台に送ったらしいの。だから私達は人間を恨んだ。けど、何故か今は私達が煙たがれる存在になっている。
 だから、私は人間が嫌い。私達魔女は瞳が赤い色をしてるからすぐ人間と見分けられちゃう。私の顔を見る度人間達は唾を吐いたり睨んだりしてくる。中にはそんな態度をされるのをおそれて、カラコンをしている魔女もいるくらいだ。
 でも、私は絶対にそんなことはしない。たとえ唾を吐かれたりしても、人間なんかに負けたくないの。だって私のお母さんは人間に殺されたようなものだから……………。
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