守られし寵妃
ーガチャ。
屋上のドアが開く音が聞こえたと思ったら。
1人の男が立っていた。
「・・・誰だ」
殺気の込められた声で聞かれた。
そんなに殺気出してもあたしにはきかないのに。
「・・人に名前を聞くときは自分からだろ」
あたしも低い声&威圧で言い返した。
まったく、幼稚園児でもそれくらい知ってるっての!
「・・・。龍輝だ」
「黒崎 美麗」
「なんで、ここにいるんだ?」
またもや威嚇してるような声で聞かれた。
「空が見たかったからだけど」
「ここは、RAINの場所だ。部外者は出てけ」
「はぁ?あんた何様なわけ!?あたしは空が見たいからここにいるの!別にここにいてもいいでしょ!!」
マジ。このあたしの目の前にいる男ムカつく!
RAINの場所とか意味わかんないし!
屋上は誰の所有物でもないっての!
「いいから、出てけ」
「殺気しまったら?あたしなんて言われようと出てく気ないから。ずっとやってたら疲れるよ」
「てめぇ。出てけ」
龍輝とかって奴は、あたしの腕をつかんで屋上から出そうとした。
けど
「嫌だ。煙草吸ってんだから邪魔しないでよ」
と言って、腕を振り払った。
「お前。泣きながら煙草吸ってんのか?」
龍輝は、心配そうにあたしの顔を覗き込んできた。