守られし寵妃



「泣いてなんかない」

「じゃあその涙はなんなんだ?」



そう言って龍輝はあたしの目を指で指した。



涙。
そんなものあたしには似合わないのに。


涙なんて枯れたと思っていた。
それなのに、ソラの事を思い出していたら無意識のうちに泣いていたらしい。


他人に涙を見せるなんて。


あたしは、涙を拭いて煙草を吸った。



「・・・・・・・」


「・・・・・・・」



龍輝もフェンスに寄り掛かって煙草に火をつけてる。


龍輝の顔は、驚くほど綺麗で整ってる。
目は、青。
髪は、綺麗な黒に青メッシュ。
制服は、程よく着崩してる。

まぁ。俗に言うイケメンってやつか。
これだけ美形なら女もよりどりみどりだろうな。




ーガチャー


「あれ~。龍輝が女の子といる~♪」

「はぁ。そんな訳ねぇだろ・・・ほんとだ」

「あれって美麗さんじゃないんですか?」

「おお。俺好みの綺麗な子猫ちゃんだな~」



煙草を吸ってる龍輝。
煙草を吸いながらソラを見てるあたし。

そして・・・屋上のドアから入って来たさっき教室にいた男達4人。


五月蝿い奴らが来たな~。


「美麗ちゃーん。僕美麗ちゃんに挨拶しようと思ったのに寝てたからできなかったんだよ~」


可愛い男の子があたしの傍に来た。


「・・・・・・」

「あれ、美麗ちゃんまさかの無視!?」

「・・・・・・」

「美麗ちゃん無視しないで~」


マジ。ウザイ。
折角綺麗な空を見てたのに。

可愛い男の子以外に3人もあたしの傍に寄ってきた。



「なぁ。あんた何者だ?」

あたしの前でしゃがんでる赤髪が聞いてきた。

あぁ。あたしの殺気について聞いてるのか。
女であれだけの殺気を出せる奴はいないだろ。






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