守られし寵妃
「ただの女子高生ですけど」
赤髪の目を真っ直ぐに見て言った。
「んな訳ねぇだろ。殺気が半端なかった」
「気のせいじゃないんですか?」
ヤバイ。
折角、仁にもあたしの事を隠す協力をしてもらってるのに・・。
自分で勘付かれるような事しちゃった。
「美麗さん。正直に答えて下さい」
今度は、メガネをかけたこげ茶の男が話しかけてきた。
「てめぇ。どこのスパイだ?」
赤髪の1言にあたしと赤髪とメガネ以外が目を見開いた。
スパイかぁ。
全国2位となるとチームの警戒心も凄い訳だね。
残念ながらスパイとかじゃないけどね。
「・・・・・・・・」
「どこのチームだ?」
「・・・・・・・・」
「てめぇ。何か言ってみろよ」
「・・・・・・・・」
「あんまりナメ腐ってんじゃねぇぞ」
そう言って赤髪は、あたしの胸ぐらをつかんできた。
そんなにあたしを睨んでも疲れるだけで無駄なのに・・・バカだね♪
「・・・どこのチームのものでもない」
「ああ?」
「ただの転校生」
「じゃ、あの威圧と殺気はどう説明してくれんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「てめぇ。自分の都合悪りぃ事は、だんまりかよ!」
ーガチャー
「え、美麗さん?・・・・おい・一ノ瀬。美麗さんに何してんだ?」
入って来た人物は、わかると思うけど仁。
途中から威圧と殺気を込めてる。
「仁。とりあえず威圧と殺気しまって」
「あ、すみません。美麗さん。一ノ瀬いつまで美麗さんの胸ぐら掴んでるつもりだ?
離せや」
仁の一言でパッと手を離した。