守られし寵妃


「仁のせいじゃない。いつまでも自分を責めないで?」





さっきまで、早く食べようって言ってたのにまだ一口も食べてないじゃない。
それに、もう過ぎてしまった事だから・・・。



「俺、美麗さんが姿を消したって聞いて頭が真っ白になったんです。俺は大事な人をまた失くしたってっ」


「・・・・・・・・・・・・・・」


「美麗さんを支えられなかった。俺には守る力も支える力も無いんだって」


「・・・ッ違うよ。仁には感謝してるこんなあたしを支えてくれて・・・・でもあたしは弱い!・・・弱かったんだ・・・だから逃げてしまった」





仁。
彼方は、力もあるし、まとめる力もあるし凄い人間だって思ってる。

彼方は必死になってあたしを支えてくれた。


・・・だけどね、支えてくれてもねあたしが弱いままだったら意味がなかったの。
だからあたしは、この地元から離れる決意をしたの。




「俺、毎日夜叉桜に通って美麗さんの情報を掴もうとしてたんすけど・・ガードがきつくて」

「そりゃあ、調べられたくないしね」



あたしのガードをナメてもらったら困る
これでも総長やってたんだから。




「今も・・必死になって美麗さんの事探してますよ」

「黎さんに聞いた」


「あいつ等美麗さんがいないとダメなんですよ!戻ってやって下さい」

「あたしは戻る気ない。歴史の中の1人になるつもり」

「でも・・・「いいのそれで」」



仁が言い終わる前に遮った。



「もう、族にはかかわるつもりないから、だから夜叉桜には黙っててね」

「美麗さんがそれを望むならば仰せのままに」

「何のキャラ?王子様?家臣?」



もう、族には関わらない。
ただ高校を卒業して襲名式をしてその道に進むだけ。

あいつ等には、申し訳ないと思ってるけどしょうがない事だ。
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