守られし寵妃
部屋に戻って、スエットの上を脱ぐ。
全身が映る鏡で、自分の背中を見ると・・・
でっかい、龍と虎。
で左胸の上あたりには、牡丹の花と牡丹の花の下に小さく黒崎組の文字。
この刺青は、あたしが次期組長に決まった時に彫った。
あたしは、渡されたワイシャツを着てスカートをはいてネクタイを締める。
制服は、白のシャツに赤と黒のチェックのスカート。
ネクタイも赤と黒のチェック。
それに、紺のロング靴下。
着替えたあたしは、腰まである真っ黒い長い髪をくしで梳かす。
で、新品の鞄に財布メイクポーチをいれて、携帯はスカートのポケットに入れて部屋を出てリビングに向う。
リビングに行くとお母さんが
「あら~。可愛い♪そして凄い綺麗!
朝ごはんは、桜の間で食べるから桜の間で待ってて」
桜の間って言うのは、組員とか全員で朝ごはんとかを食べる広い畳の部屋。
「いや、時間だし朝ごはんはいらない。もう行くわ」
「えぇ~。ご飯食べないのぉ。せっかくおいしく作ったのに。」
「ゴメン。その代り夜ご飯楽しみにしてるよ」
「わかったわ。お母さん頑張っちゃうわ」
「んじゃ。行ってくるから」
そう言って、リビングを出て桜の間に向う。
一応、お父さんにも挨拶しなくちゃ。
「お父さん、行ってくるね」
「美麗。似合ってんな」
「お嬢、ドコいくんすか?」
「お嬢が制服着てる!」
「お嬢は、何着ても似合ってます」
などなど
「高校。制服着るのは当たり前でしょ。ありがと。」
質問などに1人1人答えて
「んじゃ、行ってくるね」
そう言って、桜の間を出て家を出た。