守られし寵妃




「美麗ちゃん、寂しくなったらすぐにあたしのとこに来てね。なんせ寮なんて慣れてないでしょうから」



黎さんがあたしに笑いかけてる。




ん?
今黎さん、何て言った?




「黎さん、何て言いました?」


「ん?寂しくなったらあたしのとこに来てね?」


「違います。その後です」


「なんせ寮なんて慣れてないでしょうからね?」





寮?
寮って言ったよね。



「ここって寮制なんですか?」


「そうよ。荷物届いてるわよ」




なんだってーーーーーー!
聞いてないんですけど!!

それに、荷物届いてるだってぇ!?

ついにあたしは黒崎家を追い出されたってわけか・・・。


そんなわけないよな!
あたしが次期組長だもん。追い出されるわけないよな!



「美麗さん、そろそろ時間なんで行きましょう」

「ん。分かった。」


仁が遠慮がちに話しかけてきた。


「んじゃ、理事長失礼します」

「仁。美麗ちゃんの事よろしくね」

「任せて下さいよ」


仁は、そう言ってドアを開けた。



「黎さん。これからよろしくお願いします。それと失礼します」



あたしは、黎さんに深く頭を下げて仁が開けててくれたドアを通って理事長室を出た。


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