守られし寵妃
「仁。あたしが、血桜で次期組長ってことは隠すから、協力してね」
廊下を歩きながら隣にいる仁に言う。
「分かりました。でも俺のクラスは族の奴等ばっかっすよ」
族か。
もう、関わる気ないし。
違う、関わっちゃいけないんだ。
「ふーん。」
「ふーんって、危ないですから気を付けて下さいよ!」
危ないって。
あたしを誰だと思ってるんだか・・・。
そこら辺の族にあたしが負けるわけないってのに。
「うん。分かった気を付ける」
「まぁ、美麗さんが負けるってのはあり得ない話ですけどね。
あ、ここが2-Aですよ」
いきなり止まったと思ったら、2-Aと書かれたプレートがある教室についていた。
教室の中は、凄い五月蝿い。
耳を塞ぎたくなるほど五月蝿い。
「じゃあ、俺が入って下さいって言ったら入ってきてください」
そう言って仁は教室に入っていった。
「テメェらうるせぇぞ」
仁が、教室に入るなり放った言葉でシーンとなった。
殺気まで出てるし。
まぁ、多少は抑えてるけどそこら辺の族じゃ何も言えなくなるだろう。
流石、夜叉桜15代目総長だけあるな。
「美麗さん、入ってきていいですよ」
そう言われたので、教室に入った。
ーガラガラー
「お前等、転校生の美麗さんだ。
美麗さん、挨拶してもらってもいいですか?」