守られし寵妃
あたしは仁の隣に立った。
「黒崎 美麗」
ただ名前だけを言って終わり。
挨拶なんてめんどくさい。
「うぉーーー。ヤベー。めっちゃ好みなんだけど」
「超美人じゃん!」
「彼氏はいますか~?」
五月蝿い。
男どもは、いっせいに騒ぎ始めた。
「てめぇ等うるせぇぞ。美麗さんに手出したら地獄を見してやるから覚悟しろよ」
シーン。
仁ってば、殺気出まくってるし!
「仁。殺気止めなさい」
「あ、すいません。俺の美麗さんに手出そうとしてるから」
「あたし、仁のものになった覚えはないんだけど。席は何処?」
「あ、美麗さんの席は窓側の一番後ろです」
やったー。
窓側とかサイコーじゃん☆
席について周りを見るとあたしの周りの席が空席だ。
まぁ図で表せば↓
空 空
窓 空 空
側
美 空
こんな感じ。
空ってのが空席で美ってのがあたしの席。
まぁ、空席でもなんでも関係ないしね。
寝よ。
あたしは、机に伏せて寝た。
「美麗ちゃん起きないね~。折角転校生が来たって言うから来たのに」
「それにしても、此奴めっちゃ綺麗じゃん」
「うん。僕もそう思った。食べちゃいたいくらい」
「杏。ルカ。美麗ちゃん寝てるんですから静かにしてあげて下さい」
「だって~。美麗ちゃん起きないんだもん」
五月蝿い。
なにやら、周りからすっごい煩い声が聞こえてくる。
折角、気持ちよく寝てたのに。
「だってじゃありません」
「杏怒られてやんの~。ウケる~」
「ルカも五月蝿いですよ」
そうだ!
もっと怒ってやれ
「ルカも怒られてるじゃん」
「てめぇ、笑ってんな!」
もう、我慢できなくなってきた。
「てめぇら、うるせぇ」
あたしは、机から顔を離しあたしの周りで騒いでる馬鹿どもに言った。
あ、やっちゃった。
殺気出しちゃったよ。
皆固まってるし。