天然さんと不良くん
「はい、じゃあ次。4番」
担任らしきヤツの声が俺のひとつ前の出席番号を言った。
5番って呼ばれても起きる気ねぇけど。
そして4番は律儀に立ってから自己紹介を始めた。
「4番、碓井しお(ウスイ シオ)です。南中学校から来ました」
女の声でそう告げられ、俺は少し驚いて伏せていた顔を上げた。
この学校は元々男子が集まりやすく、不良も多いというだけあって女子が少ない。
女子が1人もいないクラスだってある。
しかも南中なんて聞いた事ないから、最近引っ越してきたんだと思う。
こんな学校に入学する事になるなんて…相当運悪いな。
碓井しおと名乗った女は最後に「よろしくお願いします」とだけ言って、静かに席に座った。