天然さんと不良くん
「よし、次。5番」
番号が呼ばれたが俺は無視してそのまま目を開けずにいた。
これを続けると呆れた教師は俺をとばして次の番号を言う。
ちょろいもんよ(笑)
でも今回はそうもいかなかった。
「5番くーん、起きて起きて」
そう言いながら碓井が机を揺らして俺に声をかけてきた。
多分こいつがこの近辺の人間ならこんなことはしなかったと思う。
皆俺の事怖がってるからな…
俺、一応悪い意味で有名だし。
「碓井、起こさなくていいぞ。宇田はなにやっても寝たフリ続けるからな」
ため息混じりの声で担任がそう言った。
俺の事よく分かってるな。
「……宇田くんかー」
そう呟いた碓井は揺らしていた手を机から離した。