甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


孝太は特に気にもしていない様子で、いや、寧ろ聞いて欲しそうに身を乗り出している。

「そう言う事なんで、原口主任はセンパイに手を出さないで下さいね」

「人の物には興味ないね。でも、野上はてっきり俺に気があるのかと思ってたよ。いつも俺の事、じっと見ているしさ。なあ?」


原口主任は意地悪な口調であたしをチラ見する。

まるで、孝太のヤキモチを煽っているみたいに。

「いや、み、み見てませんよ。変な事言わないで下さいっ」

「ま、どうでもいいけど。お似合いだな、お前達二人」

そこまで言うと店員さんの「お待たせしました」の声で会話が遮られた。


日替わり定食がテーブルに並ぶ。



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