甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
その日の夜、孝太は迷わずあたしの部屋に来た。
「今度、部屋着持ってきます」
「うん」
「それから、犬飼うの止めませんか?」
「えっ?どうして?」
「昼間誰も居ない部屋で留守番させるのは可哀想だと思って。それに、カナはもう寂しくないでしょ?俺が居るんだから」
孝太が何にも負けないキラキラした瞳であたしを見詰めた。
「そうだね」
あたしは一番欲しいものを手に入れた。
それに、ペットを可愛がったら、孝太がヤキモチを妬きそうだし。
「え?何で笑ってんの?」
「秘密」
「なんだよ、それ」
孝太が拗ねたように唇を尖らせる。
ほら、その顔可愛い!なんて言ったら怒るよね。だから、秘密。
「カナ、お仕置きだよ」
「何で?」
孝太は悪戯な笑みを浮かべて、あたしにキスをした。
孝太の唇はいつも甘い。
だから、あたしは甘いキスを繰り返す。
『甘い君の唇にキス』
【END】