甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
重力に逆らうことも出来ずに、孝太の腕の中に落ちていくあたし。
ああ、もう。
結局は、意地を張ることも出来ない。
自身の腕で作った檻にあたしを閉じ込めると、孝太は意地悪な笑みを浮かべた。
「キスしてくれたら、ランチはカナが行きたいお店でいいよ」
「イヤだと言ったら?」
「このまま、俺に食べられて?」
「なっ!」
手足をバタつかせると、より一層強い力で抑え込まれてしまった。
「真っ赤になって、可愛い。何を想像したの?ね、カナ。言ってみて?」
「もう、ヤダ。離してよ」
胸を叩いて、抵抗をみせるあたしを余裕の表情で見詰めている孝太。
本当、腹立たしい。
自棄になって噛み付くようなキスをすると、孝太はあたしを抱き締めたまま、小さく笑った。