甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
何はともあれ助かった。あのまま会議が続いていたら、眠ってしまったかもしれない。
でも、明日から外回りでハードになるだろうな。
そんな事を考えながら、自分の机に荷物を置いて給湯室に向かった。
あたしが所属する営業三課の女子社員はあたしだけ。
アシスタントの女の子に、定時外に雑用は頼めない。
雑巾を手に会議室に戻ったその時、誰も居ないはずの会議室から声が漏れ聞こえてきた。
「どうしてダメなんですかっ!!」
切羽詰まったような、この声の主は孝太。
「―――――――」
相手の声は男性。
誰だろう?
孝太を宥めるような声のトーンだけど内容までは分からない。