甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
頬杖をついてショーケースの串にささった食材を見詰める孝太。
たったそれだけの事でも、バイトの女の子達が浮き足立っている。
はぁ。世の中間違ってる。
半径三メートルの女子が羨む、このプニプニ頬っぺは性悪原口主任のものだ。
……代わりにあたしが抓っておこう。
「痛っ!!何するんですかっ」
孝太は若干涙目になりながら、あたしを睨み付けた。
「なんとなく……」
「……」
「怒ったの?」
「……今日、センパイのとこ泊まっていいですか?」
「は?……なんで?」
週末でもないし、家近いんだから自分の家に帰ればいいじゃない。