甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


「んんっ、やっ」

口を開いた瞬間に舌を差し込まれ何も言えなくなった。

熱い舌が執拗に絡み付いて息も出来ない。

こんなキス、最低だ。


「ん……、……」

抵抗しようにも両手を拘束されて身動きが取れない。

お願い、止めて!

これ以上嫌いになりたくないのに。

長いキスのあと、ようやくあたしを掴んでいた手は離された。


「どうして、こんなこと」

肩で息をして浩二を睨みつけた。


「アイツになんかに、カナを取られたくない」

「…………」

浩二が言っているのは孝太のことだ。


「カナ、やり直したい」

「止めて、来ないで」


一歩後ずさる。

いつもとは雰囲気が違う浩二を直視する事が出来なかった。


< 45 / 134 >

この作品をシェア

pagetop