甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
それでも、浩二はあたしを追い詰めるようにゆっくりと近付いてくる。
「本当に悪かったと思っている。今になって、やっと気が付いたんだ。
俺が傍に居て欲しいのはカナだって」
「そんなこと……」
「頼むから、俺を許して」
浩二の声は震えていた。
顔を上げると、目を真っ赤にした浩二が申し訳なさそうに目を伏せた。
「無理矢理キスしてごめん。怖かったよな」
「浩二……」
少し痩せたのかな。よく見ると頬がこけたみたい。
何故だか胸の奥がギュッと苦しくなった。
「あの頃の俺は、本当にどうかしてたんだ。
そんなの言い訳にもならないけど。二度と悲しい想いはさせない」